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老神心霊研究所

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道案内 PDF プリント メール
作者 老神いさお   
2008/08/13 Wednesday 23:31:27 JST

 この世に生まれてきて良かったと思っている人もいれば、この世に生まれてきたことを死ぬほど、または、死よりも悔いている人がいるようだ。――絶対的な価値を論じているのではない。周囲から見れば立派な意見もあれば、甘えとしか見えない見解もあるだろうが、ここで抑えて置いていただきたいのは、「この世」を捉えるのに様々な見解があるということだ。

 死後の個性存続について、嘘や迷信、詐欺の手管、という意見もある一方で、絶対の真理と信じる者もいる。……一体どちらが正しいか、を論じるそのだいぶ以前に考えるべき問題がある。と、私は信じる。

 つまり……

 あの世は本当に良いところなのか? おそらく、行った者の中には苦痛に感じるものもいるだろうし、幸福に感じるものもいるだろう。さらには、逝くべき者の中には、恐れる者もいるだろうし、歓喜の中に進んで前進する者もいるだろう。

「死後の個性存続、そして永遠の生を、しっかりと主張すべきだ!」

 が、私はひっそりと信じることが大切と信じる。

 なにしろ……それぞれに価値観が異なるというのに、自分の価値観を他者に強要するのは暴力的ですらあろう。

 さらには……いささか高慢な言い分に受取られることも多いだろうが……浮かれる者には「しっかりと歩め」といい、怯える者には、道を踏み外さぬように心配りをし、疲れた者は励まし……そもそも口先の徒には、ともかくも歩むようにし向けることが、つまりは、道案内の役割ではないか。

  怯える者をさらに脅しては道案内が勤まらない。

  同時に、浮かれている者をあおり立てても道案内は勤まらない。

 あなたが歩んだその道に、しっかりとした手答えを添えることにこそ意義があると思うのだが……歩むことの意義を求めるよりも、後ずさりをせぬように、と心配りすることに疲れている私がいる。
 

 
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