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なるほど奴には骨がない。

2006/02/20

2006年 02月 19日


 入浴していたら、ふっと某知人の事が頭に浮かび、『夢が叶わぬ事で日々ジリジリと暮らして、だんだん態度も悪くなって迷惑だなぁ…… 』等と思って、ふと我に返った。

 私の想いではなく、通信だ、と。面白そうなので耳を傾けてみる。

・・・・・・・

『素人建築家は、家屋を思うに柱の太さも、基礎の深さも考慮しない。間取りの工夫に、部屋の広さ、そして内外装の美しさだけを気にする。そう考えれば何とか実現が叶いそうだと浮かれて省みないから実現がしない。それどころか往々、柱を立てるのも基礎を掘るのも勿体ないなどと考えている。だが、デザインが悪かろうが、基礎と柱さえしっかりしていれば家は建つ。

『夢を実現するのも同じ事だ。基礎も柱もなく、見てくれだけに凝っている……夢の中だけでしか実現しないから夢のままなのである。夢を理想に高めていかぬから、いつまでも実現に進まぬのだ。

『お前は(霊媒)は、某氏を指して、とんとん拍子に物事が好転していき不可思議な物だと思っているが、なんのことはない。彼にはそれだけの実力があったのだ。ただ、柱と基礎を想わずにいるから実現が今まで滞っていただけである。

『一歩前に進みたければ、足下にも、裏にも留意することだ。現実的であるというのは、夢を否定することではなく、夢を実現する力でなければ成るまい。』

……嗚呼、確かに彼奴(某知人)には日常生活力が不足しているなぁ。

『人生の基礎を疎かにする者が、自分の夢に丈夫な基礎や柱を用意できるものか。無理に実現を図っても、自重に耐えきれず倒壊するのがオチである。それみよ、夢が実現しないというだけでも自分の重みに耐えきれずにもがいているではないか。』

 あ! と気がつき、悪寒が走る。

『ああ、そうとも。夢幻の住人……実現出来ない夢しか持てぬ者は、死後においては独り引き籠もって安穏と、夢幻界で暮らすが、地上においては夢と現実の間に挟まれて地獄の苦しみを味わうものだ。そして、夢幻の住人であることの苦しみを、一度でも地上で味わえば、死後においても夢が崩れる恐怖に戦く。

『なんのことはない、基礎や柱をケチって、バカにして、それが夢が理想に転じていかぬ原因であることに気がつかぬ結果なのだ。本来ならば努力など必要としないのに(楽しめばよいのだから)、努力を必要とする生き方をして、努力が嫌だと泣き喚くのである。

『楽しめばよいのである。基礎も柱も、夢の実現の一部として楽しみながら創造すればよいのに、それが出来ぬ。夢を実現する者と、夢の間まで終わらせるものとの間に、境涯があるという所以である。』

 成るほど彼奴には骨(柱)がない。あげく、家族(基礎)にも不平不満ばかりだ……まあ、他人の夢の実現よりも、今は自分が湯冷めをしないようにしなければ。


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