病心――熟年離婚
2006/01/292006年 01月 28日
実家を訪ねた際、母の友人の愚痴に付合わされてしまった。
夫の意地悪が酷いという。
テレビを見ていると、うるさいと怒鳴る。音を止めると光のちらつきが目障りだという。ならば居間にいないで寝ていれば良さそうなものだ。あまり腹が立つので、着替えを鞄に詰め込んで、今すぐにでも家を出て行ける容易をしているという。
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「そりゃだめだ!」……思わず口を滑らし、仕方がないので開き直る。ちなみに、愚痴に付合わされた時、合間に口を挟むのには注意が必要だ。まず、十二分に愚痴に迎合し、相手の悪口をいってシンパシー(共感)を高めておく必要がある。そしてここぞとばかりにならず者親爺を凹ます様々なアイデアを私は開陳した。こういう時の私の話題の豊富さはとても一般に公開は出来ない。
さて、ひとしきり悪巧み話に花を咲かせた後、私の心中でタイマーが働き、突然我に返って本題に入る。
「ただね、昔、整体の先生に聞かされた話だけど……そういう意地悪な行動って、多くは病心、つまり、身体を病んでいる人の心なんだそうです。つまり、健全な人なら、大らかな態度を取るけれど、具合が悪いとせっかちで意地が悪い態度になるものですよね? この場合も、お医者さんが相手にする程の病気にはなっていないかも知れないけれど、大らかな気持ちでいられるほどには健康じゃないんですよ。
身体が悪いから、目の前にあるものさえも人に取らそうとするでしょう? (そうだとのこと)、身体が思うように動かせないから人を使うんです。でも、使われた方にしてみれば自分だって楽じゃないのに迷惑で腹立たしいですよね。だから整体に掛かると、腰が軽く(行動力がます)なって、夫婦げんかが減るというのです。
でも、この状態の悪いところは、当人に不健康の自覚がないことです。当人には、治そうという気持ちはないだろうし、「整体に行け」「病院に行け」といっても面倒がるし、それどころか病気扱いすれば怒り出すのがオチでしょう。つまり、治せない、どころか、治そうとすればかえって悪くなるんです。
せめて、治せるなら愚痴をこぼしながらも生活できるだろうけれど、治せないなら離婚した方が良いかも。だって、病気は治っても、老化は止められないし、老いればますます腰が重くなっていくだろうから、これから先、性格が良くなる見込みはとても薄いですよ。」
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いや、熟年離婚って、経済力がなければ出来ないだろうけれど――私の周辺では、まとまる話と壊れる話が同数であるような……