2005年 08月 02日
最近では「夏休みの分散化」などという表現もあるが、やはりお盆の頃には高速道路が各地で渋滞を引き起こす。…… お盆は祖先の里帰りだけでなく、生きている子孫等の里帰りシーズンでもある。同時に海外旅行のハイシーズンも兼ねていて空港も混雑するが、「アラ、あの家は海外にお墓があるのかしら?」等といわれることはない。
かくいう私は、霊媒を自認し、先祖供養の大切さを重々知りながら、「怠け者の節句働き」などといわれながらも、わざわざこの時期ばかりは会社で懸命に働いて、「わざわざ混雑する時季に遠出するなんて……」などと混雑の模様をテレビで鑑賞していたりする。
つまり、お盆は里帰りの時季ではあるが……誰もが里帰りをするわけではない。
ところで、お盆には祖先の霊が帰宅するという。――お祖父さん、お祖母さんが、孫にそう教えるのであれば微笑ましいが、心霊家がこういうのであれば注意が必要だ。
霊魂だって、元が人間であれば、それぞれに自我があり、自由意志があるはず。ならば、人々がお盆に里帰りしないのと同様に、里帰りしない霊魂だっていておかしくもない。
更にいえば、霊感のある人であれば、お盆やお彼岸に限らずに祖先の霊が時折子孫の様子を見に来ることを知っている。
ついでにいえば、お盆のいわれは、釈迦の弟子、目連尊者が地獄で苦しむ母代りに善行を積むことから来ている。……いわば、地獄の住人を助けるチャンスなのであって、この日しか子孫を訪ねることが出来ない祖先の霊とは、地獄にいる霊魂でしかないはず。
確かに、帰幽(死の)直後で、未だ死後世界での適応訓練中の未熟で、大部屋住(集団中で指導を受けている)の霊魂であれば、勝手に出歩くことが出来ず、まして一人で出歩くことが出来ないから、お盆やお彼岸といった時季に外出許可と引率を得て出歩くことはあるようだ。また、そういう不自由な境遇の霊魂たちは、もう子孫が先祖供養の準備などを始めたなら……いや始める前からもう、ワクワクして大騒ぎをすることもある。
お祭り好きが騒ぐ一方で、ニヒルに構える落ち着いた霊もいるし、我が子を棄てた者やこっそりと家族を裏切った者(不倫など)などは、この時季が早く終わらぬものかと小さくなっている。また、前世で悪行を為した者の中には、この時季が謝罪のチャンスであると懸命になる霊もある。
人の数だけ、お盆の過ごし方がある。霊魂の数だけ、お盆の過ごし方がある。
お盆にだけ帰宅できる霊もいるかも知れない。でも、大抵の霊魂は自由に里帰りできる。……人に自由意志があるなら、死者にだって自由意志があるのだろう。その死者の霊魂が杓子定規に動くと考えるのは矛盾している。
修行の初期段階では自由は少ないが、修行の進行状況もまたそれぞれの才覚次第なのだ。死後何日たったから霊界入りするとか、死後何年たったから神様になるとか、そう杓子定規には行かない。むしろ、年期だけで境涯が進むと考えているような霊魂は、いつまでも向上しないだろう。