優しさ
2005/04/222005年 04月 22日
人は、自分がもたぬものを切実に求める。優しさを求める心も同様だ。「私は人に優しくしている!」というものは多いが、ではなぜ、他の優しさを必要とするのか。自分に厳しいからこそ、人の優しさを求めているのではないか。
人は安易に自分に厳しくする。怠惰は危険であるが、厳しすぎれば傷つくのは他人も自分も同じ事だ。誰かの優しさを必要とするほど、自分に厳しすぎるのでは、持っている優しさというのも、いかなる下心があってのことか、判りはしない。―― 他からよく見られたいが為に優しくして、その演技が受入れられないからこそ、優しさが欲しいと不満をいっているのではないか?
確かに、人は社会の中で暮し、孤独は耐え難い。それも又摂理、自然な反応ではある。だが、世の中には本当に優しさが足りないのであろうか?
足りぬのは、優しさの意味への理解であろう。すなわち、人に偽りの優しさを与え、偽りの優しさで騙されるから、世の中に偽りの優しさばかり溢れて、いくら得ても歓びが生じないのだ。
偽物が多い世の中で、必要なのは本物であり、本物を欲しがるならば、自ら本物の優しさを会得せねばならぬ。人は自分にもたぬものを切実に求めるが、無いことに不満が生じるとき、自分の貧しさを振返らねばならぬ。