悪縁断ち難し


Q 「全く悪縁断ち難く……」

悪縁の効用――物事には長所もあれば短所もある。短所だけを見れば耐え難いが、一得一失、その欠点を受け入れなければ得られぬものもある。不平不満に我を忘れて、悪縁の持つ長所はちゃっかりと着服してはいないか考えるべきである。

 例えば、職場に好まぬ者がいると聞く。だが、働くものは皆一様に疲れれば不平も生まれるし、誰かを憎めばこそがんばれる時もある。もしも職場に普段から不快な者がいなければ……一体誰が、不平不満の矛先を担うのだろう? 自分ばかりが被害者ではない。そう思えば連帯感も生まれる。身内に敵が多いのは困るが、一人もいないのも困りものだ。すなわち、多少の不平不満があるのは大過を避けるのである。

Q 「その長所を生かしがたい悪縁もあります。」

一方的な悪縁は必ず断たれる――その悪縁は果たしていつまでも続くものであるのか?

苦に我を忘れるな――小さなトゲが刺さっても、人はなるほど耐え難い。だが、大けがの中の小さな傷がどうして一々気に障ろうか? 人が小さな痛みに耐えがたいのは恵まれている証である。

 だからといって苦を諦め、受け入れよ……というのではない。小さな苦に振り回されて、幸せを失ったり、大きな敵を作ったり、せっかくの好機を逃したりはしてないか?

 苦に我を忘れてはならない。悪縁が断ち方きも、実はその中に長所があればこそである。悪縁を絶つ事よりも悪縁に頼る自分を改める事である。

2006-04-12


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