愛着気質の失うもの

2007年04月06日


時々、フッと自分の気質について思う。私は小器用な性質で人の助けを借りずにいろいろとこなすことが出来る。一方で、特に秀でた才能もない。その性質は、他に助けを求めることを嫌う気質から来ているのか、どちらが先にせよ、互いに関連していることは間違いないだろう。

よく言えば独立心旺盛、悪くいえば可愛気が足りない。……それゆえに、親分肌の人からは嫌われることが多い。自覚がないがおそらく、私も親分肌の人を避けているのかも知れない。

……などと、自省するのは、周囲の人の気質や性質を見て不快に思い、相手を不快に思うのは、自省を促されている時、と考えてのことだ。

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ああ、これがいわゆる愛着気質という奴か、と思う人が何人かいる。愛されることに懸命で、献身的、健気とも見える。

ちょっと悪口めいているが、まず、問題点をハッキリさせるためにその性質を描写する。

(私は相手に悪意を抱いていない、何となれば、因果応報というではないか。ただ、巡り合わせに迷惑は感じている)

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自分の気に入らない相手とは、仕事の話さえも知らん顔。周囲が大人気無いといってもどこ吹く風。そのくせ相手にされないと、「馬鹿にされた!」と激怒する。

一方で、そこに困っている人がいれば(気に入らない相手でなければ)、専門家をかき分けてまで助けようとする。御自分の専門分野であればいざ知らず、素人解決を押しつけて相手に迷惑を掛けても、善人気分で気がつかない。

ある人……というか、異性からは親切であると受けが良いが、同性からは、面倒を避ける態度で接せられているのが、それがどうも尊敬されていると誤解しているらしい。不在時にはどんな噂をされているか気がついていない。

新しもの好きで、「また自慢話をしているよ!」といわれ、「まだ自慢話をしているよ!」といわれる。たまには有益なこともいうが、油断すると知ったかぶりを掴まされる。

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そういう人の物言い(日常会話)が、どうも生理的に嫌で仕方がなかったのだが、「好きにならなくても良いから、嫌うな!」という、(建前を鵜呑みにしてはいけないと知りつつも)師とそのまた師の教えに沿って、極力聞き流すようにしていたが、あまりしつこく気に障るので、しばらく観察してみて気がついた。

すっかり自慢話だ、とか、余計なお節介だ、と思っていたその人の言動には、なんら悪意も、侮蔑感も含まれていない。ただ、身構えている私が、相手の侮蔑感や、拒否感や、悪意を感じていたのだ。

(あ。個人的な憎悪は向けられているだろうが)

彼の動機は実に単純。――私はこれだけ高機能なオプションを装備していて、便利ですよ、あなたにとって有益な人物ですよ、と、アピールしているのだ。……無意識に。彼に他を貶す意図や悪意などは本来無い。単に自分をアピールしているだけなのだ。それを認められれば相手に好意を抱き、拒絶されると、力業に出てエスカレートし、上手く行かぬことが敵意や悪意を生み出すのである。

いわば、高機能商品の宣伝と同じ。便利な機能は沢山ついているが、便利だからといって必要だとは限らない。そういえば、会話も宣伝と同じで、トピックは並ぶが一貫性が無く、売り文句はあるが意味不明、挙げ句、何か新しいオモチャを買ってくると、最後に値段をいって「安いだろう!」という。

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でも、相手も同じ人間。いわば一種の競合商品だ。すると熱心なる売り込みは、相手をけ落とすのと同じこと、それでは相手が不快に思わぬはずもない。商品を探している相手に売り込んでいるのではなく、同業者に売り込んでいるのだから、周囲に不快感が漲るわけである。

家族だって、面倒がらなければむしろ不思議、家でゴロゴロしていれば邪魔にされる……ただ、便利に使われているだけ。それはそうだ。当人がそう、し向けているのだから。

愛されたいなら、愛される人になるべきだろうし、尊敬されたいなら、尊敬される人になるべきだ。……便利な人を演じれば便利に使われて、用がなければ邪魔にされるだけ、競技場以外でも競争を仕掛ければ周囲は白け、嫌う相手にごり押しては溝が深まるだけ。不快感を抱く人が増えればそれが噂で伝染する。――どう考えても、愛されたいという目的と、便利さと有用さとをアピールするという手段とは合致しそうにない。

結局ただ、便利さを利用し、つまらぬトラブルを避けるための態度で接せられているだけに過ぎない。まあ、もっとも、愛されているかどうかなんて、人の心を読めぬのでは、当人の思い込み、一種の幻想に過ぎないわけだから、それでも当人は充分に幸せなのだろうが。

私は説教臭い結論を意図しない。ただ、こういう極端な事例を見て、思うのだ。

私の望むことと、私がやろうとしていることは一貫性があるのか、と。手段と目的とが正しく関連していなければ、どこに行き着くかは判らぬではないか。――実際、困って相談を持ちかける人の多くは、手段と目的との食い違いに気がつかずにいる。


蛇足だが――建前を鵜呑みにすべきではない。

相手を嫌わぬように努力するのは結構だが、その為に相手の欠点から目を背けなければ行けないとしたら、自分の欠点の中だけに、修行・向上のチャンスを見出さなければいけなくなる。他者の欠点で、修行・向上することが出来るなら、それもまた早道であろう。最も、それでは敵が増えるかもしれない。増えた敵は、果たして修行の助けとなるか、邪魔となるか、それも判断が必要だ。


しかし、便利さで気を引き、大人気なさで反感を圧殺するのは、元気だから出来ることだ。――いつまで、それが続けられるのだろう? それこそどうでも良いことか。


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