不足という祝福

2007年03月15日


地上の人々は(地縛の霊も含めて)、肉体がいかに厳重にして、光の差込む余地の乏しい牢獄であるのかを理解しない。心霊を学びて知識に溢れると自負する者ですら、いや、自負する者ほど理解しない。

牢獄に囚われ、乏しい資料と経験とを持って霊界の様相を理解に努める……それがいかに陳腐な学習法であるのか。……物質的な障壁のない霊界においていう障壁とは、移動を妨げるものでなくして、理解と認識を妨げるものである。

世界は余りに広く、人の知り得ることはわずかしかない。……それを知識として知りながらも、人は己の知ることを鼻にかけ、十分に知りたることを誇り、そして、新規な物を嘲笑する。……それは、魂の本来の有り様ではなく、永く幽閉された囚人が自由の何たるかを見失った痛ましき姿である。

彼等は真の自由を恐れる。……真の自由が意味することは、己の境遇の余りにみすぼらしきを認識することだからだ。

ああ、牢獄に囚われようとも、心の自由までは失ってはなるまいに……偽の自由に没我してまでも、人は己の自由を信じたいのか?

この拘留は永遠には続かない。……なぜなら、自由の真義を理解するための体験でしかないから。だが、もしも地上で、真の自由の何たるかを見失えば、人は何に拘束されるのか? 肉体を捨去っても、誤解に縛られれば、人は死しても自由を選べず、地縛の霊として救いを夢見る……それは決して珍しい姿ではない。

あなた方は知るまい。……真実は向上の何よりの助けとなるが、誤解がどれほど多くの障害になるかを。真実は人を解き放つが、誤解は人を縛るのである。……己の間違いを恐れる人ほど、強く誤解に縛られる。

そしてあなたは、真実と誤解の区別が付くか? 地上に縛られし、狭い視野で。地上に溢れる情報すら、真偽を選びかねるというのに、真理の真偽を見抜けようか?

地上の知識のいかに危ういかを、知りたる者こそが霊的真理を求めるというのに、地上の知識の中に霊的真理を求めるのは何事か?

言葉は手がかりに過ぎない、真の意図を察するための……その、意図を察する力こそが霊性であり、その霊性を磨くことこそが、地上における魂の修行の目的である。

不自由な暮しの中で、いかに真実を選別し、吸収していくか。……満足するなかれ、囚人の有り様に。あなた方は不自由で、心貧しく、そして愚かだ。その惨めな境遇の中でベストを尽すからこそ、恵まれた境遇よりも遙かに早く向上するのである。

・・・・・・・

豊かな者は足りぬものに気が付かず、知りたる者は、知らざることに気が付かぬ。……惨めな人よ、その惨めさこそが、あなたが一番に誇りに思うべき事なのだ。

飛躍の可能性を秘めたる人よ、惨めな境遇は決してあなたを呪うものではなく、あなたを祝福するものなのだ。それに気が付いた人こそ幸いである。

知らぬ事も、出来ぬ事も、手の届かぬ事も……あなたが成長し、達成の悦びを知るための祝福なのだ。肉性に囚われたる囚人達よ、あなた方が牢獄と信じるのは祝福である。祝福に挫折し、祝福から目を背けて、囚人であることに幸福を求めてはならない。

たとえ、死後の生を信じぬ人であろうと、死した後にも自我の継続することに気づいたなら、誰もが天国を目指そうとする。……が。地上の生が牢獄であることに気がつかなかった者は、牢獄の天井を目指して、天国とは異なることに挫折する。

人は自由である。たとえ一時は幽閉を強いられるとしても。だが、自ら外に出ようとしない限りは、ずっと牢獄の中である。それこそが地縛であり、自縛である。

不足を素直に認めよ。そこから、真価の追求が始まる。

不自由を認識せよ、そこから自由への旅立ちが始まる。

人の弱さを理解せよ、そこから霊性の発揮が始まる。

限界を意識せよ、そこから進化が始まる。

貧しい自分、不自由な自分、無能な自分、それをどうすることも出来ない自分、霊性進化はそこから始まる。……そして豊かな者は、自由を過信する者は、己を誇るものは、限界に気がつかない者は、牢獄の中を踊り回っているだけであることに、死してもなかなか気がつかないのだ。

不平にしがみつくなかれ、不平は、不足を克服するための動機なのである。

不足に諦めるなかれ、不足は向上を促す仕組なのだ。


コメントをどうぞ

コメントを投稿するにはログインしてください。

お知らせBy老神いさお。

・スマートホン
iPhone/Androidで閲覧時に、最適化したページが表示出来るようになりました。よろしければ、ご感想をお寄せ下さい。

・サイト再構築中
移行途中のデータが時折、トップページに掲載されますが、編集作業の都合ですので、今しばらくご容赦ください。旧作については、本文右上に日付が記載されます。

・ページ更新
 現在:1056㌻
 復旧予定: 残り480㌻位・・・

老研カレンダー
8月 2018
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031EC
9月 2018
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
老研イベントリスト
  • No events.
みにみにぶろぐ
  • ・原発全廃
  • ・その後悔の帳尻が合う生き方をしているか?
  • ・我が国だけが原子力を全廃しても、隣国が原子力発電を推進すれば、危険性は無くならない。
  • ・生きるとは生むことである。
  • ・いろいろなる不平不満はあるだろう。だが人は歩んでいる。
  • ・与えられる事を当たり前に思っている者が飢える。
  • ・なぜ、争うのだろう? 事態はただ現実への妥協を求めているだけなのに。
  • ・ 見せられると信じたくなる
  • ・豊かな者は足りぬものに気が付かず、知りたる者は、知らざることに気が付かぬ。……
  • ・ 心に不満が生じるのは、あなたが焦っている証。もう少しゆっくりと生きなさい。

More »

サイト内検索
アーカイブ
サブ・サイト