迷惑なる者への心構え


 なにやら、人の為す事にイライラとなさっているご様子。それを見て叱ろうなどとは考えておりません。ただなるべく心穏やかになさいませと、ご意見申し上げます。

 人が何ゆえにこの世に生まれいずるかといえば、いうまでも無くそれは未熟さを克服するが為。その第一歩がまず、己の未熟さに気がつくことであることを知れば、世の中、己が欠点に気が付かない迷惑なる人が多いのは、腹を立てるまでも無くあたりまえの事。

 かように未熟者が多い世に、生まれ出るにおいては、腹立たしき事もさぞかし多き事でしょうが、それを覚悟でお生まれになったことは常に身命に刻み込んでいただきたく思います。苦労は避けがたく、逃れがたいが、決して乗り越えがたくはありません。

 向上の第二歩目が、己の未熟さの克服であれば、素人もまた、素人なりに己が才能を発揮したいと思わざるを得ず、してみれば、未熟な話、未熟な才能に突き合わされて辟易ともなさいますでしょうが、これもまた地上の生の特色であります。

 未熟なる者との付き合いは、いわば霊界が徴収する税金のようなものでして、未熟者には手厚く指導がなされ、向上を果たすほど、より未熟なる者の世話が肩にのしかかるのは、この世の摂理に他なりません。それによりて御神命が損なわれては一大事ですが、あまり神経質には成らぬようにお心やすくお願いいたします。

 だれもが、自分なりに満足の行く人生を歩みたいもの。未熟な者が指導を嫌うのは、それが自分の向上につながらぬがゆえ。また、巧みなる者が未熟者を嫌うのは、それが足手まといなため。それぞれが自分の技量に見合った環境を得れば、おのずと住む世界も分かれて心地よく暮らせるようになります。

 迷惑な者を退け、清々と気持ちよくお過ごしになりたいのは、誰もが同じ事でしょう。しかし、地上は兎角狭苦しく、住む世界を分かつまでにも肘も当たれば、足も踏みます。入れ替えには時間がかかるがゆえに、少々の狭苦しき思いや、面倒ごとは寛大なる気持ちでお許しください。何も成さぬのではなく、後に恨みの残らぬように、様子を見ながら勧めておりますゆえに。

(2003年5月27日)


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