代償を軽視しない。

 あれは、いつのことだったか。つまり、事の発端は、あまり記憶に残っていない。

 おそらくは20年程前のこと、隣国の核実験の事と思うが、ニュースで、放射能濃度が上がる、というのを聞き、不安になって、わが心霊の師に電話をかけた時のこと。

 そう、私もかつて、放射能を恐れて、霊能者に相談したのである。

 他にも同様の電話があったのかもしれない。わが師は、いかにもめんどくさそうに、

「あら、私は被爆者だけど、未だにピンピンしているけど?」

・・・私は、時間を割いてもらたことに対してわびをいい、電話を切った。

 日時も忘れてしまったことだが、たしかあの時、私は二つの事を、理解したと思う。

  1.  不安を相談されても、答えようがない。
  2.  人の命を奪うのは、リスクではない。

 いうまでもなく、放射能が降らなくても人は死ぬのである。・・・避けられるならば、リスクは減らすほうがいい。でも、逃げれば助かるのか? 

「禍福は糾える縄の如し」・・・逃げた先が安全だと、または、逃げることが安全だと誰が知れよう?・・・心がふさがっている時に、神助を期待するのは難しい。

 繰り返すが、放射線・放射能の害を軽視するわけではない。

 しかし、これ以後原発の事故が二度と起こらなかったとしても、日本国内には五十もの原子炉があり、地球全体では四百以上の原発がある。(その他軍事用)それらが引き起こすかも知れない、原子力事故を不安に思いながら生きねばならぬのである。・・・逃げるのは結構。だが、それでほんとうに安全なのか? ただ、不安から逃れるために自分を忙しくしていないか?

 わが師は、今は加齢でそれなりに故障はあるようだが、私は未だに頭があがらない・・・

・・・・・・

 私は、放射線・放射能の害を軽視したいわけではない。私だって、出来ることなら避けたい。・・・とはいえ、自分だけ安全な場所にいることを潔しともしない。それを、「格好付けて」 と思う人もいるかも知れないが、私としては、どちらかと言えば、「恨みを買わぬように」・・・という部分が強いと思っている。

  逆恨みなら、力づくで解決することもできるが、己の卑怯な行いを、力づくで解決しようとすると、かえって拗れる・・・

 人間の行いには、ソロバン勘定や、論理的帰結だけでは解決しきれない代償を求められることがあるからだ。

・・・・・・・

 無論・・・道を歩いていたところに、車が突っ込んできたなら、私だって避けようとするだろう。避けられる難を避けないのも罪深い。・・・事故を甘受すれば、相手を加害者にしてしまうのだから。

 同様に、原発事故の影響を恐れて、避難する人や、風評に流されて食品を買い控える人がいるとして、それが悪いことだというのではない。

 でも、誰かがやらなければいけないことから、逃げたらどうか? ・・・誰かが替りに犠牲になる。

 私はそれを罪とは数えないが、何ら負債とならないとも思わない。

 まあ、あえて下品(かつ単純)な表現をするなら、自己犠牲を厭う人は運が悪くなる。

 一得一失。・・・まあ、人生というのは結局のところ沢山の選択肢があるようでいて、自ら進んで行うか、無理強いされて行うか、の二者択一でしか無いと私は考えている。避けることが出来たなら、まあ、避けても良かったのだろう。

 ただ、避けるに当たって、支払うべき代償は、思うよりも多いのではないか、というのが私の見解である。

 ぶっちゃけ逃げても、、眼に見えるリスクが減るだけで、眼に見えないリスクは増えるだろう。


  やってしまった事を批判しよう、というのではない。言葉は取り返すことが出来ないのに、あとから兎や角いっても仕方が無い。・・・不毛なことに時間を費やすのは、趣味の人か、愚か者だ。

 おさらいしよう。

 大切なものなら、大切に扱うべきである。・・・その大切なものをいかに扱うか。人智に任せるか、神智に任せるか。

 別な言い方をするなら、後から訊ねるか、先に訊ねるか、ということだ。

 ・・・・・・・

 取り返せない、というのではない。でも粗末に扱えば赤字は増えていくだろう。私はそれを危うむ。

 

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