体調不良につけ込む霊
体調が悪いと気が滅入り、気が滅入ると感応する霊まで低くなる。といって、無理をすればかえってつけ込む隙を作る。疲れやねじれが取れるまでは大人しくしているに限る。とはいえ、体調が悪いと時間の流れまで遅く感じる。というより自分が鈍いだけだが。
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私は、仕事が煮詰ると、目をつぶり、心を落着け、高山の山頂で深呼吸する所を望画する……すると今日に限って、品悪く、薄気味悪い笑みを浮べた男が側に立ってこういう。
『(憑依して)おまえの欲を糧にして、私は地上の欲をほしいままにする……』と、相手が言い終らぬうちに私はそいつを突き飛し、こう叫んだ。
「注意しろよ!!」
延々と山の斜面を転がりながら男が叫び返す、
『突き飛しておいて、何だ!!』
私が二の語を継ぐ
「勝手ばかりをしていると、誰も引留めてくれないぞ!!」
なおも転がる男が憂いを籠めた声で改めて叫んだ。
『嗚呼!!』
肩がちょっと軽くなり、改めて高山の山頂で深呼吸する自分を望画する。……さて、仕事に戻ろうか。
あ、その前に、折角だから足下の石を蹴り落しておこう。いやはや、体調の悪いときには大人しくしているに限る。
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