霊媒とは何か?


霊媒とは何か?

2005年 01月 20日

 突然開いた霊感に戸惑い、苦しむ人は多い。私もその経験者であるし、横の繋がりからそういう話も多々聞く。自分も一人で苦しんだからなおのこと、同じ苦しみの持ち主を見捨てておけないという思いもある。

考えても見て欲しい――トラブルに巻き込まれたとする。それは不可抗力か、それとも扱いを間違えたが故であるのか? いずれにせよ、こうはいえまいか。正しい知識を持たなかったから拗れたのだ、と。確かに心霊的なトラブルは、無知が事情を拗らせている場合が多い。

例えば、遺伝的に霊媒能力を受け継いだ人であれば、親なり祖父母なりから適切なる心霊知識を学び取れるかも知れない。しかし、世間に流布する心霊知識のうち、興味本位・実用本位のいずれかが多いであろうか? 需要と供給の関係で考えてみればよく分かる。親戚知人に霊媒がいないのに、突然霊感が開いてしまった人々は、迷信や妄想、または、興味本位で創造されたフィクションの海の中から真実を掴まなければならない。さらに、困難さをもたらすのは、マンガやテレビによって刷り込まれた、興味本位活実用無視の心霊常識である。警戒心を持って学び始める前に知っていたデマは、容易に頭から追い出すことが出来ない。かくして、霊媒初心者は迷信の中で彷徨《さまよ》うのだ。

そもそも、「霊媒とは何か?」その事すら正しく理解せずにいては、霊媒(能力を持つ者)であることが苦しくて当たり前だ。……だが、人々は霊媒をなんだと思っているのだろうか?

「神に与えられた才能をもっているのだから霊媒は善良で当たり前」等という馬鹿げた妄想に騙されてはいないか? 善良でなくても良い人間なんて独りもいない。だから「霊媒だけ特に善良であるべき」と、主張する者がいたらその下心に関心を向けるべきか、距離を置いて関わらぬようにすべきである。

その他にも、「霊媒の真偽を見抜くには当て物をさせろ」、「百発百中で当たり前」、「いつでも霊査が取れて当たり前」、「困っている者を無料で助けて当たり前」……等という意見に惑わされてはいけない。

そもそも、霊媒とは、霊との媒介をする者を意味する。省略されてはいるが、正式には「霊と人との媒介」である。くどいようだが、霊と人との間に立つのが霊媒なのだ。それはつまり、 人間の都合と霊界側の都合をすりあわせ、その妥協点を見いだすのが霊媒の真の義務である。それなのに、迷信に迷わされて、霊を見たら有無をいわさず、また事情を斟酌せず、ただちに除霊したり、毛嫌いしたり、はたまた、人間の都合ばかりを重視して、背後霊の好意に甘えて、次々と当て物させたり、くだらぬ仕事を背負い込ませ、休ませもせず、他人の苦労まで背負い込んでしまえば…… 人間・地上側の御用霊媒にいそしんで、霊界側から見捨てられなければ感謝し、罰(自業自得の報い)が当らなければ幸運と思うべきだ。ここで夢想的な妄想に取憑かれてはいけない。超常的な力を持っている霊達なら、そういう条件の悪さをはねのけられる……かも知れないが、地上の人間の心に巣くい、人を不幸にしているのは社会の矛盾などではなく、その人本人の心に内在する葛藤なのだ。強い力があればなるほど困難を打ち破る事も出来るだろう。だが、葛藤を力押しで解決しようとすればますます苦しみがますのである。

金儲けが霊媒の使命ではないし、迷信の流布は慎むべきだが、人間、特に身勝手な人間に奉仕する義務は霊媒にないし、勝手な義務感に守護霊・背後霊を巻き込むことがあったら、それはタコが自分の足を喰うようなものである。すなわち自滅への道だ。

霊界の従僕になるのも社会的な破滅に繋がるが、そもそも霊媒の悩み事、特に霊的な悩み事に対して、解決力を持っているのは霊界なのだ。地上のご都合主義的な心霊思想に惑って、縁も縁もない他人に使い潰されぬように注意すべきである。

少々の揺らぎはさしたる問題ではないが、地上にも、霊界にも、双方に押しが強くなるまで霊媒の苦悩は続く。


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