葛藤を解決する
2006年 03月 17日
伝家の宝刀はみだりに振るうものではない。乱用すればたちまち刃こぼれをしてしまう。……つまり、しまっておくべきものはやはりしまっておくのが良い。だが、持っていることを忘れては意味がない。
問題解決の英知、特に葛藤の解決法には刃こぼれは起こりえないように思えるが、やはり乱用は禁物なのである。なんとなれば、葛藤するような曲がった心は、曲がった状態を好み、話術でそれを正しても、その話術に心が慣れると無意識に嘘をつき始めるからだ。…… そして当然、忘れてしまっては学んだ意味がない。
ここで扱うのは葛藤の解決法ではあるが、使わなければ意味がなく、乱用すれば効果がなくなるものである。読んで応用しようと思う方はそれを注意していただきたい。
引き篭もりを続ける人に聞く。
「あなたは何をしたいの? したいことがあるなら手伝ってあげるから」
……だが、返ってくるのは葛藤に満ちた言葉の羅列か、さもなくば葛藤で口が利けなくなった挙句の沈黙だろう。
大体において、葛藤もなく生きている人は、葛藤の解決策を知っている人というより、神秘を目にしてもさして疑問を抱くこともなく、盲目的に日々を送る人なのである。そういう人に葛藤を打ち明けたところで、理解を受けずに傷つくだけだ。悩める人は悩まぬ人を鈍感・無神経と憎み、悩まぬ人は悩める人を過敏で面倒と嫌う。……相談する以前に価値観の溝が広がっている。
葛藤する人と向き合い、何もすることの出来ない自分に気がついた人は、自分の歩んできた人生が不毛ではなかったかと恐れてみるべきである。
乱暴に言えば、葛藤とは、好むものが多すぎて、どれも捨てられずにいるものだ。ならば発想を転換するのである。自分が捨てたいものを選ぶのは実に容易だ。では、その中で一番捨てたいものは何であろう……一番不要と思うもの、その反対のものが一番必要なものではないか。
そうやって問題を絞っていけばおのずと葛藤が消えていく。だがこの智恵だって、自分を正そうという気持ちのない人にはまったく役に立たないことである。