‘霊障問題 (新編集)
憑依霊
05年 06月 02日
憑依霊問題を扱う難しさ
「低級霊に憑依される」……私が、心霊サイトを主宰しながら、ネット上で憑依霊の話題をあえて避けるのは、目に見えぬ物に対して通りすがりの読者が神経質過敏に陥らぬようにとの配慮であるが、なにしろ、オカルトマンガやオカルト映画のビジュアル表現が、一般の人々に刷り込んだ先入観たるや大変なものだ。
偏見だらけで大げさな憑依に関する知識ばかりは誰もが知っているが、本当に身近な問題は誰も知らない。……心霊問題において、基礎研究が疎かにされていると私がいう所以である。
私の師、そのまた師もかくいう。
「自分の霊格を上げなければ、いくら除霊しても無駄」
「除霊しても戻ってくるから、戻らぬように浄霊しなければいけない」などという話もあるが、その考えはいかにも中途半端だ。たとえば、我が子と交際している悪友をいくら更正させたところで、我が子が毎夜、繁華街をうろついていれば、次々と新しい悪友を仕入れてくるだろう。むろん、悪友らも更正させるべき対象であるとしても、我が子の問題に限るなら、我が子の関心をもっと生産的な方向に向けるべきなのである。
……誘惑する悪霊・低級霊等を浄霊しても、相談者自身が余計なことに首を突っ込むのであれば、別な霊に憑依されるだけだ。真に変わるべきは相談者自身なのである。 だから、私は、憑依霊の浄霊よりも、相談者の「浄霊」を重視している。 もっとも自分自身の向上に関心を持つ相談者はあまり多くなかったが……まあ、それは私の心配すべき事ではない。
迎合しやすさこそが問題。
たとえば霊界の指導霊の助けを得て、創造的な仕事をする……原理的に言えば低級霊の憑依と何ら代りはない。しかも、低級霊の憑依はとても迷惑だが、指導霊の憑依がないのは案外困ることである。…… この背後関係は信仰心の強い人にはたちどころに理解いただけるが、信仰心の薄い人からはなかなか理解いただけない。なにせ、人はその信仰心のあり方によって、幸せを感じたときに神社仏閣にお参りする人と、不幸であるとき(開運目的で)神社仏閣にお参りする人とがいるが、それはつまり、高級霊に敏感な人と、低級霊に敏感な人とがあるのだ。低級霊に敏感な人は、害や欠点ばかりに敏感で、人の長所や受けた恩を軽視する傾向があって困る。
悪影響を受ける憑依現象……いわゆる世間一般で言うところの憑依現象だが、悪霊・低級霊達にしてみても、何も憑依相手を腕ずくで従わせる必要性がどこにあるだろう? ちょっと誘惑すればいくらでも悪事に手を染める人がいるのに。……そう、悪事に迎合しやすい人間は、無抵抗で憑依され、あまり自然に憑依されるから憑依されていることにすら気がつかないだろう。――この事こそが、私が一番問題視する憑依霊現象である。憑依されることが問題なのではなく、悪事に抵抗する心の持ち主が減っているから、社会問題が起こるのだ。
ところで、死後の世界に悪霊がいるのならば、それが地上に生まれ変わった、すなわち悪人が地上にいてもおかしくない。つまり、憑依されなくとも悪事を起こす人がいないとは思えない。そもそも、悪事に迎合するのならばすでに共犯、つまり充分に悪人と呼べる。つまり単なる迎合であれば、その問題解決に霊媒が必要とされても、実際、霊媒の出番に乏しい。何らかの事情をこじつけて相談者自身が霊媒の前から立ち去るだろう。
何を持って憑依霊と呼ぶか
憑依現象の中には、対象者に好影響をもたらすものもあり、悪影響をもたらす場合も、対象者が自ら進んでそれを行うのであれば、いずれにせよ問題にはなり得ません。ただ、無理強いされたとき、人はそれを苦痛に感じ、専門家への相談をするのでしょう。…… このレベルの問題は、そう件数も多くなく、大変そうに見えても解決への希望があります。……私が解決を難しく考えるのは、 もっと地味な憑依霊現象です。
憑依霊現象とは、つまり自分の心の中に、他者の意識が投影されると言うことです。……自分が他者から操られているか、否か、その判断をするのも自分の心なのですから、その区別はとても難しいものです。単に自分の心をいくら反省しても、その過程で憑依霊の有無を感じ取るのはまず無理でしょう。
しかし、他者が命じることは、その命じた者に利のあることです。そう考えると、地味な憑依霊現象の影響下にあっても、憑依の有無を判断することが出来ます。つまり、利己的に行動しているつもりで、その実、自分に利のない行為に没頭していたら……他者に支配されていると想像することが可能でしょう。
辞めようと思いながら、辞められない……こういう現実に横着したとき、「どうせ辞められないんだから続けてしまえ!」と思うのであれば、憑依霊の思うつぼなのです。
霊障問題 1
05年 08月 07日
霊はどこにでもいる
「我が家には何かの霊が住み着いていて、災難はその霊障ではないか?」……という質問が出たとします。この回答はなかなか難しいのです。一般的に霊媒が、「ここには霊が存在しません」といったとしても往々それは自分の波長の合う霊がいないということで、ちょっと苦しい比喩ですが、FMラジオが受信できる番組がないからといって、AMラジオも役に立たぬとは言えないのと同様です。
それは特殊な事例としても、霊媒が霊視して、何らかの低級霊が見えない家など滅多にありません。仮に低級霊が見えなかったとしても…… たとえば私が師の家を訪ねたとします。すると師の背後霊の気配が充満していて、低級霊を感じる余地がありません。しかし…… 師の守護霊は私にいつも微笑みかけるのに対して、霊媒としての師の通信霊はお小言ばかりをとばしてきます。すると、低級霊がいないからと言って、個人的に不都合な霊が全くいないとは限りません。
ではいっそのこと、霊の全くいない環境が作れるかというと、私の体験からしても困難であると考えます。 かつて私は霊感発現初期に、集まった低級霊に苦しめられたのですが、いくら追い出しても切りが無いことを理解した時に発想を転換して今があります。つまり低級霊を追い出すのではなく、高級霊…… せめて私にとって不快ではない霊達が常に自分の廻りにいてくれるような精神性を身につけることが大切であると悟ったのです。
その経験からいっても、霊の存在しない環境を作ることは、空気中に真空の箇所を作るより難しくあります。…… 真空を作るには容器が必要でしょうが、霊が存在しない環境を作るためには、いかなる容器が使えるというのでしょう? それならむしろ別なものを充填する方が良いわけです。
整理しますと、低級霊のいない環境は滅多になく、不都合な霊も存在しないのはさらに珍しく、霊のいない環境を作るのはまず無理である……ということになります。
短気がトラブルを拗らせる
さて、霊障を恐れた人が私にメールなどで相談を持ち込むと、長々と上述の解説を読まされることになります。まあ長い解説は誤解の種ですので、それを避けるために古典的叡智……要するに方便……を使うという手もあるのですが、心霊研究を名乗りながら迷信を利用することは私にも抵抗があります。すると焦っている人からは、
「そんな屁理屈は良いから早く除霊してくれ。それとも出来ないのか!」などと昂奮させてしまうこともあります。…… で困っているのに相談相手からノンビリとした回答が返ってくれば腹が立つのも情緒的には理解できなくはありません。しかし、この時の相談者の心情……もしくは霊性はといえば、独善的、かつ攻撃的で、これでは低級霊との縁が深まる一歩です。
低級霊との縁が深まる……たとえば誰かにケンカを売られたとします。これを単純に買ってしまえばトラブルが拡大してしまうでしょう。ですから相手との波動をずらす……要するには理性的な対処がトラブルを最小に止めるわけです。ところが、霊障に悩む人々が、霊障問題に腹を立てたあげくに、霊媒にまでその怒りを向けたらどうなるでしょう? そう、トラブルが拗れ、なおかつ他に飛び火しかねないわけです。……ここでいう飛び火とはつまり自分を不幸にしようとする相手が増えるという意味です。
更にいえば、霊障に対して、除霊を期待するということは、暴力に対して暴力で報いるという選択です。これはよほど力量差がないと闘争が長引いて霊障以上の自傷を受けたり、注意力や集中力が散漫になって、霊障以外の問題が拗れていったりという副次的な被害ももたらします。……そうなると、相手と自分とどちらがより自分にとっての悪霊なのかが微妙になってきます。
除霊法を知りたい
05年 08月 10日
「除霊法を知りたい」という質問を想定します。
しかし……
1,相手は本当に悪霊でしょうか?
私の経験でも、祖先の霊が警告を発しているのを祟りと誤解している方がかなり見受けられます。「霊イコール悪」という潜入観念や、悪霊や妖怪らとの対決マンガの見過ぎでこのような誤解をするのでしょう。憑依し悪影響を及ぼす霊を指して、俗に因縁霊という表現もありますが、因縁深いのは、赤の他人や仇よりもむしろ親子や親族なのです。本当は味方であるのに、冷静を失った判断で相手を間違えたなら、あなたはより大きな不幸を招くことになります。
2,力で解決すべき問題でしょうか?
たとえばあなたがケンカに自信があるとしても、目隠ししても勝てるものでしょうか? まして強さは相対的なもの。あなたが除霊法を用意したら、相手の霊は、強い憑依法を勉強してくるでしょうし、あなたが強い除霊法を用意したら、相手の霊は、あなたへの影響力の強い相手に憑依するかも知れません。
たとえば、上司や先輩などに憑依してあなたを虐める……憑依の対象となった人々は、自分は苦しくないし、下手をするとあなたを虐めることが楽しくなって、自分に憑依霊がついているなどと気がつかないかも知れない。あなたがそれに気がついて、上司や先輩の除霊を始めると、上司や先輩らは苦しくなってますますあなたを目の敵にする。……これは実例を知っています。
そもそも、霊と人間との差は肉体の有無であり、霊格が同じであれば不自由な分だけ人間の方が圧倒的に不利なのです。まして、攻める側の選択肢の方が圧倒的に多いのですから、力ずくでの解決は往々逆効果になります。
3,相対的な見方を忘れていませんか?
これは特に、有料心霊相談の回答事例などを見ての感想です。
強さとは相対的なものです。……自分の霊力が強くても、相手の霊力がさらに強ければあなたは敵いません。それどころか、相手が本気で、なおかつ、そこそこの悪知恵を持っていたらあなたよりも弱くてもあなたは敵わぬ事でしょう。
でも、果たしてあなたは霊界に敵しか持っていないのでしょうか?
霊障問題の解決には、自分の品位を下げるような敵対的な方法ばかりではなく、自分の味方を増やすという友好的な手段もあるのです。
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除霊法に関心を持つ……実は、目の前の障害に気をとられて、あまりに多くの宝物を疎かにしているのではありますまいか。
事例
2010年1月17日
無理を通せば道理が引っ込む・・・腕ずくでの問題関係はいろいろな歪を生み出す。ましてや、霊界のことは霊界で解決するのが順当であろう。少なくとも・・・霊界の協力が会ってしかるべきであろう。
霊障に苦しんでいる人の相談に応じるとき、私は極力、相談者の心境を上げるように努力する。心境が変わらないと必ず、リバウンドが生じるからだ。低級霊を引き離したはずが、かえって仲間を連れて戻ってきたりもする。ここで無理をしても、短期的には問題解決したように見えても、そう遠くないうちに再び同様の問題が生じる。
面白いことに、いくつかの事例で、相談者が引越し、または、転勤することになった。私はもちろん、積極的にそれに賛成した。転地が心境を変える・・・もしくは、低級霊を呼びこむような心境をつくる、関係・縁者から相談者を引きはなす事になるからだ。
結局、相談者の背後の霊たち、すなわち、守護霊や祖霊や、そもそも、相談者の試練を割り当てた産土の神々が、ちゃんと解決の道筋をつけてあったのだろう、とおもう。
むろん、転地だけが心境を支配するわけでなく、また、誰もが転地可能なわけではない。
ただ、まあ一般論として、対人・対霊のこじれを解消するのに、相手を変えようと努力するのは大抵うまくいかず、むしろこじらせ、さらに往々、上手くいかないことから気が急いて墓穴を掘ることも多いもの。まず、自分を変える努力の方が、効果が見えやすく、それゆえ焦りも抑えられるし、相手の変化も起こさしめやすいもの。
費用対効果が高いのだけど・・・人は往々、誰かに・何かに頼りたがる。
でも私は、霊拝主義者ではなく、共存共栄の心霊主義者なんです。
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